LUZZ STUDIO blog

大阪本町にあるレンタル撮影スタジオ、LUZZ STUDIO(ラズスタジオ)のブログ

撮影スタジオ・屋内でのストロボ撮影のカメラ、マニュアル設定方法について解説


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みなさまこんにちは。LUZZ STUDIOの店長綾です。

今回のブログは、スタジオ・屋内などの環境下で、自然光ではなく、ストロボなどの人口光を使用して撮影する際のカメラの設定方法の考え方やプロセスについて簡単に解説していきます。

ストロボを使用した撮影のメリットは、自然光などの天候、環境や運に左右されず、自分で光をコントロールして(操って)写真を作り上げられることが挙げられます。

しかし、ストロボを使い始めのときは、なかなか思い描いている仕上がりとは異なってしまっていませんか?光が強すぎてしまったり、暗くなってしまったり等々…。思い描いている写真を作り上げられず、ストロボに苦手意識を持ってしまったということをよく聞きます。

 

そんな問題を解決する方法は、

  1. カメラをマニュアルモードで撮影
  2. カメラの露出設定
  3. ストロボの光量設定

この3点が解決ポイントとなります。

 

今回のブログは、この3点について実際の撮影を交えながら解説していきます。

  

 

 

1.スタジオ・屋内でのストロボ撮影時にマニュアル設定をオススメする理由

まず初めに、ストロボを使用する撮影において、なぜカメラの設定をオートではなくマニュアル設定で撮影することをオススメする理由をお伝えします。

1-1.カメラのオート機能について

カメラの各種オート機能は、カメラに内蔵されている露出計と露出補正をベースに、今目の前にある風景を露出補正のトーンに合わせて撮影できるよう、自動的にカメラの設定を調整し撮影を行う機能です。

しかし、ストロボは撮影する一瞬にだけ光る、強い瞬間の光です。

そのため、オート設定の状態のカメラでは、シャッターを切った瞬間に発光するストロボの光をそのまま取り込んでしまう場合があります。

そうなった場合、光を取り込みすぎて真っ白な写真に仕上がることがあります。

 

これがよくあるオート撮影でのストロボ撮影の失敗例の一つでもあります。

 

そうならないためには、ストロボを前提としたカメラの設定をしてあげること、つまりカメラに自動的に環境を感知してもらうのではなく、自分でコントロールできるマニュアル設定での撮影をオススメしています。

 

1-2.どんな環境、さまざまなメーカーのストロボ機材で撮影ができます

最新のストロボにはハイスピードシンクロなど、カメラの設定とリンクしてストロボをオートで発光する方法があります。

しかしメーカーなどによって、ハイスピードシンクロが扱えないストロボがあります。

そんなストロボを使用しないといけない状況になったときなどに対応できるようになります。なので、理想の一枚に仕上げつつ、臨機応変に対応できるようになり、まさに一石二鳥です。

始めたばかりの方はオートでシンクロ機能を使えば綺麗な撮影を行うことができますが、光をコントロールして思い描いた写真を撮影すると、上達の実感やカメラの奥深さを楽しめます。 

2.スタジオ・屋内でのストロボ撮影時のマニュアル設定の基本

2-1.ISOについて

ISOは取り込む光の量と明るさに影響します。

基本はストロボの光だけを感知できる数値にしましょう。

ストロボの光は強い光ですので、ISOとしては100などの低いISO値をベースに、写真の仕上がりの明るさの調整に使用します。

 

理由としては、ストロボの光を最大限に活用するには、ストロボ以外の光を取り込まないようにするのがベストです。

ストロボ以外の光を取り込まないということはストロボ以外の光が無ければクリアできると思いがち。

しかし、真っ暗すぎる部屋の中ではピントを合わせることは不可能に近いです。

そのため、最低限、ピントを合わせるための光が必要です。

このピントを合わせるための補助光がついた状態でも真っ暗な写真が撮れる状態を作れば、ストロボの光だけを活かした撮影が行えます。

モデリングランプが搭載されているストロボを使用する場合は部屋が真っ暗でも可能です。

 

2-2.F値(絞り値)について

F値被写界深度(ピントの深さ)と明るさに影響します。

基本ベースとしてはF5.6がおすすめ。基本的なレンズに搭載されている標準域の絞り値なので、F5.6をベースにピントの深さや明るさを上下自由に調整できるからです。

2-3.シャッタースピードについて

シャッタースピードは手ブレ、被写体ブレに影響しますが、明るさには影響しません。

2-3-1.手ブレ、被写体ブレについて

もし動きのある被写体をストロボで撮影したい場合は、ハイスピードシンクロができるストロボが必要になりますが、ハイスピードシンクロはカメラやストロボの機能によって異なるなど汎用性に欠けます。

今回はここの部分は省かせていただき、あくまでマニュアルで撮影する場合の被写体を撮影するお話しとさせていただきます。

2-3-2.シャッタースピードはストロボの明るさに影響しません

ストロボの光は自然光などの一定の光を放ち続ける定常光に反して一瞬の強い光を放ちます。

この一瞬の強い光を取り込めるシャッタースピードの限界の速さを同調速度とよびます。この同調速度を超えるまではシャッタースピードが早くても遅くても、ストロボの光の明るさには影響を及ぼしません。

この同調速度は、それぞれのストロボのスペックによって異なりますが、昨今のストロボでは大体1/125あたりがその速度に該当できるので、1/125を基準にします。

1/125以上のシャッタースピードで、黒い幕が映されたらそれがそのストロボの同調速度を超えた目安といえます。 

基本ベースとしては、手ブレを起こさないシャッタースピードとして1/125を基準として設定します。 

2-4.ストロボについて

ストロボについては、2つの要素があります。“光量”と、“被写体との距離”です。

2-4-1.ストロボの光量について

ストロボの光量は光の強さと明るさに影響します。

最大出力量は1/1と表記されます。明るさの度合いには各機種ごとに定められたGN(ガイドナンバー)に準じますが、1/1はそのストロボが発揮できる最大の光の強さといえます。

但し、1/1の最大出力を連続して発光すると、ストロボ本体に負荷をかけてしまい、熱によるショートを起こす可能性があります。

また、クリップオンストロボ場合、電池の消耗を速めてしまいます。

よって、ストロボを長く安全に使用したい場合は、およそ1/16~1/4を基準として、明るくしたり暗くしたりとカメラの設定とのバランスを見ながら光量を調整していきます。

2-4-2.ストロボと被写体との距離について

ストロボの被写体との距離は、光の強さと範囲に影響します。

被写体に近づけるほど光は強くなり、遠くなるほどに光は弱くなります。

つまり、被写体に光が必要だが、光量がどうしてもこれ以上強くできない場合は、被写体に近づけることで解決できたり、逆に被写体に光が強くなりすぎている場合は、被写体から離すことで解決できる場合があるほど、ストロボを使用する場合は距離も重要となります。

 

距離については大体1m~2mほど離した位置から調整することをオススメします。(ストロボにつけるアクセサリーによって異なります) 

3.(実践解説)スタジオでストロボの光だけを使って撮影

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それでは実際に撮影をした流れにそって、上記写真の仕上がりまでのカメラ設定ならびにストロボの設定の流れを解説していきます。今回のライティングの設置はこのようになっています。

撮影ライティングセッティング図

右側の光を起こすためにストロボの向かい側に銀レフを設置しました。

3-1.ストロボの設定

まずはストロボの光量を設定していきます。

3-1-1.ストロボの光しか感知しないカメラ設定にする

ストロボの光しか感知しない環境並びに設定を行います。

今回はISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6で真っ暗な写真を撮影できました。

室内灯を感知させずに撮影した真っ黒な写真

ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6

3-1-2.ストロボを点灯し、ストロボの光量を調整する

先ほどの設定のままストロボを光量1/16で発光して撮影しました。

真っ暗な写真からストロボを1/16の光量で撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/16

ストロボの光量はが少ないため、被写体がほとんど映し出されていませんので、さらにストロボの光量を上げます。

ストロボ光量を1/8に変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/8

ストロボの光量を1/8に設定し撮影しました。

先ほどより明るくなりましたが、まだまだ暗いので、さらに明るくします。

ストロボ光量を1/4に変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/4

ストロボの光量を1/4に設定しました。

ようやく、被写体全体が明るくなりました。しかし左側の背景が白飛びしてしまっています。ブログ画面上でも境界線がわからなくなっています。

被写体への明るさは丁度いいですが、ストロボに近い場所が明るくなり過ぎているので、ここからはカメラの設定で調整していきます。

3-2.カメラの設定で調整する

現在の設定はISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/4です。ここからカメラの設定を調整していきます。

この時点の問題点はストロボに近い方が白飛びしてしまっている明るさの問題です。

ここで挙げられる解決方法としては2つ。ISOを調整するか、F値を調整するかです。

  • ISOを調整すると取り込む光の量と明るさに影響します。
  • F値を調整すると被写界深度(ピントの深さ)と明るさに影響します。

この2つの値を考えたときに、ピントか明るさを考え、撮影した写真を確認します。

そうすると、私の中で、「もう少し、ピントが決まったシャープ感が欲しいな」という思いが芽生えました。なので、今回の調整はF値で調整をすることにしました。

撮影後の画像がすぐに確認できるデジタルカメラならではの露出設定の方法です。活用しなければもったいないので存分に活用します。

 

3-2-1.F値で調整をする

F値を5.6から8.0に変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値8.0、ストロボ光量1/4>

F値を5.6から8.0に絞り、撮影をしました。F値を絞ることで、暗くすることと、ピントを合わせる被写界深度を深めるためです。

暗くなり、ストロボに近い部分の白飛びが解消しました。全体できな仕上がりにも少しシャープ感が出てきました。しかし写真全体が暗くなりすぎ、またピントのシャープ感も強くなりました。そのためF値をもうすこし解放寄りに調整しました。

F値を8.0から6.3に変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値6.3、ストロボ光量1/4>

F値を8.0から6.3に開放、撮影をしました。F値を解放することで、今度は明るくすることと、ピントを合わせる被写界深度を浅くするためです。

全体的に明るく、なりつつも、左側の白飛びは防げています。しかし、造花の中心部にある白色の部分の色が白っぽくなり過ぎているので、もう少しだけF値を調整します。

F値を6.3から7.1に変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4>

F値を6.3から7.1に絞り、撮影をしました。

ここまでくれば説明が不要なので省きますが、つまりカメラのマニュアル設定は最初は大まかに設定しながら、徐々に問題点を絞り、中間点を見出して、理想に近づけていくのがポイントになります。

この細かな作業ができるのもマニュアル撮影ならではです。

この仕上がりを見て、今回の撮影は

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4>でゴールとしました。

もちろんこのゴールは人それぞれの思い描く写真によって異なりますので、あくまで一つの参考例としてくださいませ。

 

4.(おまけ)色味の調整はホワイトバランスで行う

ここまでカメラの設定とストロボの設定の露出についてお話しをしてきました。ここに+αの暖かさをプラスする方法もお伝えします。

4-1.太陽光(5200K)で撮影

F値を6.3から7.1に変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4、WB太陽光(5200K)

今回の撮影では太陽光(5200K相当)で撮影を行いました、このままでも綺麗ですが、少し青みがかかっており、アンティーク調の可愛い造花なので温かさが欲しいと思いました。

4-2.くもり(6000K)で撮影

ホワイトバランスを太陽光から曇りに変更して撮影した写真

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4、WBくもり(6000K)

カメラの設定もストロボの設定もそのままに、ホワイトバランスをくもり(6000K)で撮影をしました。そうすると暖色の色味が乗り、あたたかな印象に仕上げることができました。

 このように、写真の雰囲気を変える方法のひとつとしてホワイトバランスが活躍できます!ホワイトバランスはストロボの明るさなどに直接影響はありませんので、最後の仕上げ調味料のように活用すればより表現の幅を広げることも可能です!

 

5.まとめ

ストロボ撮影において、明るくするには、ストロボの光を強くすればいいと考えがちです。しかし、実はそうではなく、カメラの設定から、ストロボと被写体との距離など様々な要素が組み合わさって一枚の写真が仕上がります。

是非今回のブログを読んで、そんな写真の奥深さと楽しさを感じていただければ幸いです。

 

また、今回の撮影に関しては当LUZZ STUDIOの無料貸出機材で撮影をしておりますので、ストロボの撮影の練習に是非当スタジオをご利用してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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それでは、今回の記事はここまで。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!